コンセプト

　耐震等級１同等の魅せる耐震補強

工事中から、随所に光る職人のまなざしとその技にさんざん魅せられてきたのだけれど、新旧の調和が美しさに惹かれてしまう。
【縄がらみ】【格子壁】
こんなに美しい耐震補強があるだなんて、完成した「沙桜里庵」を見て驚いたのは、私だけだろうか。

それだけではない。

軟弱地盤を【薬液注入工法】で固め
揚げ前工事で家を丸ごと持ち上げて【立ち上げ幅24cmのべた基礎】を造り
土壁は【既存壁の修繕と天井裏まで塗り足し】を行い
格子壁や荒壁パネルを使って【耐力壁】をバランスよく配置
軸組みは【足固め】や、エポキシ樹脂を使って【継ぎ手・根継ぎ】が施され
開放感あふれる大きな開口部は【トレカラミネート工法】で補強。
屋根は２トンあった土を下ろして【空葺横桟工法】で古民家らしい景観を維持しつつ軽量化され
耐震等級１同等を実現している。

\ クリックすると動画で解説するよ /

　
古民家に断熱をプラスして驚きの快適性を実現

京町家や古民家に暮らす人のお悩みNO,1といえば、どこからともなくシンシン冷える、冬の寒さだろう。
古民家「沙桜里庵」の位置する亀岡の冬は、想像以上に厳しく、けっこう雪も降るし、午前中は冷たい濃霧に包まれる日も多い。
夏の日中は暑いけれど、夕方から心地よい風が吹くので、ぜひ家中に取り入れたい。
だから、風通しのよさと断熱性能には、こだわりました。

では、古民家に断熱をプラスした時の快適性とはどんなものか？
季節を通して「気持ちいい！」の一言にすぎる。

基礎は、家をまるごと持ち上げて造ったべた基礎だからできる【基礎断熱】で底冷えをカット。
壁は室内側に土壁や柱を現しにでき、土や木が持つ調湿・蓄熱性を活かせる【外張断熱】と
躯体内に侵入した湿気を外部に排出して耐久性を高めたり、通気層の遮熱効果【通気構法】の合わせ技で省エネ性を高めている。
窓を断熱サッシに交換する【外窓交換】で古民家の魅力でもある解放感をそのままに断熱性もプラス。コスパ的にも一番！
天井を抜いて、空間の広がりが欲しい、そんな希望を叶える【屋根断熱】で太い梁が現しになる力強さの魅力を添えています。

「沙桜里庵」は一般にも公開されているので、ぜひ訪れてその空気感をあなたのカラダで感じてほしい。

\ クリックすると動画で解説するよ /

　なんだか感じる心地よさの秘密は素材のチカラ

「沙桜里庵でのんびり過ごしていると、なんだか心がほっこりするんですよね。」
そんなお声をよくいただきます。

古民家はもともと土や木といった自然素材でつくられている。
その優れた機能を最大限に活かすのが理にかなっていると私たちは考えます。

新しいものも、素材の良さを生かしたものを選んでいますので、これからの経年変化も一つの楽しみでもあります。

その気持ちよさは、裸足で歩いてみるとよくわかります。

床には【京都産の35℃超低温乾燥の無垢の木】と【熊本産の畳】を使っています。
しっとりとした艶のある無垢のフローリングは、さらさらと優しい肌触り。
畳に座ると、ついつい寝転がってしまいたくなる優しさを感じます。
格子壁や階段、カウンターもすべて無垢のヒノキや欅、タモ材で大工さんの手で作られています。

壁は昔ながらの【土壁】を生かしています。
土壁は、古くから使われている酒蔵や貯蔵庫でよく見られます。その理由は、【調湿作用】に優れているからです。
土壁の家は夏はひんやりと涼しく、冬は優しい温かさを持続しやすい特徴があります。
様々な季節が訪れる日本で、最も快適に過ごせる壁だと言っても過言ではありません。
また、熱や冷気を逃がしにくいという【断熱機能】も持っています。そのため、冬場は暖房の温かさを維持しやすく保温性に優れています。
さらに、【脱臭作用】もあり、土壁が空気と一緒に家にこもりがちな生活臭を吸収してくれる働きがあります。 
アレルギー症状やシックハウスの対策としても期待できます。

\ クリックすると動画で解説するよ /